既に、ご法事や坐禅の会など、観音堂を仮本堂として利用しておりまして、ご利用の方にはご不便をおかけいたしております。
まず、第1期工事として「本堂耐震改修」より。
昭和8年に建てられた現本堂は、その前の本堂が昭和5年の丹那断層を震源とする北伊豆地震により倒壊したことをふまえて、当時としてはかなり地震を意識した建て方なようです。
まず、屋根は銅板葺きで軽量化されています。床下には当時はまだ珍しいコンクリート基礎が使用されています。
耐震診断をした結果、概ね良好な結果が得られた本堂ですが、震度6強以上の地震には不安が残るとのこと。
そこで、床下の土台と木造の組み物を耐震ダンパーで補強すると共に、建物内部の体力壁を増やすことで、大地震にも対応できるようにいたします。
まず、参道にある小さな石橋を保護するための養生を。

そして、本堂内部の片付け。ほとんどの仏具や蔵書を本堂以外の建物に移動しました。

そして、畳を上げて床板をひっぺがします。
床下はこの通り。

昭和8年当時のコンクリート基礎はやや細くて不安。木造の本堂はこれにのっかっているだけなので、地震によりずれ落ちるおそれもあります。
そこで、現存のコンクリート基礎の周りに、コンクリを増し打ちします。すでにその配筋工事にかかっております。
そして、木造の組み物が交差するところに組み込む耐震ダンパーがこちら。

タバコを借りて大きさ比較してみました。
「仕口ダンパー」といいます。
詳しくは製作元のアンデン東京さんのWEBページから引用いたします。
仕口(しくち)とは、柱と梁(はり)の交点を指す専門用語で、この部分の強さが軸組工法による木造建築の耐震性能を左右します。しかし、仕口を金物などによって余りに固くすると、逆に柱や梁を傷めることになります。
「仕口ダンパー」は、2枚の折り曲げた鋼板の間に高分子材料(ジエン系、シリコン系他)の粘弾性体を使用したダンパーで、粘弾性体をエネルギー吸収の主材料とした画期的なハイテク金物です。木造軸組構法建物の柱・梁の仕口部に仕口ダンパーを取り付け、仕口部の補強(剛性付与)および建物全体の耐震性(減衰性能付与)を向上させます。軽量、コンパクトで、木ネジで簡単に取り付けられます。
ということです。木造の持つしなやかさを活かした耐震補強です。
コストも比較的低く、工期が短い、施工に際しても特別な専門知識が不要(設計・配置にはかなり大変な計算が必要ですが、図面が出来上がればその通りに設置するのみ)というのがメリットです。
本堂は7月末の竣工を予定しています。
7月のお盆中は本堂を使えるようにしていただく予定です。
なお、今回のプロジェクトの設計監理をしてくださるのは、「自由工房静岡事務所」の1級建築士・石田さん。
多くの保存活用プロジェクトに携わった経験がおありで、住宅分野でも民家を再活用する設計を得意としていらっしゃいます。平成14年「静岡県住まいの文化賞」で最優秀賞。平成16年・18年の同賞では優秀賞。平成15年「まちなみ住宅100選」で国土交通大臣賞などの受賞歴がおありです。
今後も改修の進捗を随時アップしていく予定です。
