2011年11月14日月曜日

石巻・法山寺 秋のともしび音楽祭

無事に行って参りました!

私が所属する曹洞宗の青年会、伊豆曹青が主催企画した【きもち・つなぐ・ともしび】。
紙カップロウソクに、被災地の皆さんに寄せるメッセージ、あるいは犠牲者への追弔のことばを、思い思いにクレヨンで書いて頂き、被災地である石巻のお寺、法山寺様の境内で点灯して、遠く離れた私達も、被災地とそこに住み皆さんのことをいつも忘れないでいるというきもちを、少しでもお伝えできればととり組みました。

伊豆曹青会員が伊豆地方を中心として、1200個のメッセージをあつめ、また、法山寺様も石巻の皆さんに500個のロウソクを配布し、被災地からの思いをあつめて下さり、合計1700個の【きもち・つなぐ・ともしび】が集まりました。

また、そのきもちを暖かな音楽とともに伝えたいと思い、常林寺オテライブでおなじみの、アコーディオン奏者DANとその仲間たちとともに石巻に向かいました。

石巻へは、4月のまだ、とても混乱しているころ、浴場設置支援に伺い、また9月上旬に陸前高田市を訪問した帰り、打ち合わせのためにお寄りしたのに続き、震災後3回目の訪問です。
9月にはまだ、散乱していた瓦礫も、ほとんどが石巻港につみあげられ、津波にのみ込まれた地域は更地の状態となっていました。積み上がった瓦礫はまるで巨大な防波堤のよう。
更地となった石巻はこれから次の一歩をどう踏み出したらいいのか、思いあぐねている、まだそんな状況のようです。

音楽祭の前日夕方、法山寺様に到着し、よくじつの打ち合わせや確認事項をチェックした後、わたくしの修行時代の先輩である副住職様に、ご友人が経営する居酒屋さんにお連れ頂きました。居酒屋さんはお客さんで満杯。とても賑わっています。三陸産の海の幸もすでに入荷されています。しかし、石巻漁港はほとんど稼働せず、近隣の被害を免れた小さな漁港からの入荷が多いようです。居酒屋さんが賑わっているのも、復興のための仕事で滞在している方が多いためとのことでした。

翌朝、準備に取りかかります。15時のオープンに向けて4時間ほどしか時間がありません。フル稼働でステージを作ったり、音響をセットしたり、屋台の準備をしたり、すべて手作りの音楽祭です。

なんとか、DANたちのリハーサルも14時30分までに終了し、オープンを待つばかり。
すでに、富士市在住のアーティスト、サノ ユカシさん(ユカシさんのブログにリンクしてます。こちらでも石巻のレポートがありますよ!)が準備したお絵かきゾーンは子どもたちで賑わい始めています。ユカシさんが子どもたちといっしょに、6メートルの布を埋めていきます。ユカシさんから子どもたちへのお願いは、家を一軒、木を一本書いてね!あとは自由!というもの。布にはどんどん子どもたちが思い描く街が浮かび上がってきます。

昨晩伺った居酒屋さんの大将もやきとり屋台で出店。常林寺の夜坐参加者やDANファンのボランティアスタッフも屋台をお手伝い。ほかにわれわれ僧侶チームが焼きそばやおしるこ、子どもたちにはスーパーボールすくいや輪投げも用意されました。炊き出し形式のおふるまいなので、大忙し!それぞれ500人分がすべて振る舞われました。

ライブに先だって、オープニングとして法山寺梅花講のみなさんとともにご詠歌を1曲お唱えします。三宝御和讃という、あかるく前向きな曲です。みんないっしょに教えの船に乗って浮き世の波を乗り越えて行きましょうという曲です。

DAN(DANもブログで石巻レポートしてくれてます!)のライブも始まります。
お寺に併設される幼稚園の大きな園庭がライブ会場なので、賑やかなステージにしたいという希望から、DANのサポートメンバーとして強力な助っ人たちも同行してくれました。
常林寺オテライブでもおなじみのアコースティックベース高井さんと、パーカッションのKAZUさん。おふたりとも各アーティストから引っ張りだこの実力派。
秋の境内に3人の織りなす音霊(おとだま)がこだまします。四方を森に囲まれた天然のドームみたいな境内は、ステージを優しい響きに包んでくれます。私のつたない音響セッティングもそのおかげで、職人・高井さんから合格をいただきました(^^)/

秋の日はつるべ落とし、4時過ぎから徐々に暗くなってきました。
伊豆と石巻の皆さんの思いがつづられた【ともしび】ろうそくは、ユカシさんのイメージで並べてもらいました。暗くなるとともに、ロウソクが境内に浮かび上がり、やさしい波の姿となりました。わたしたちの命のみなもと、深く優しい海の姿です。

ライブが終わり、最後に法山寺の御住職様導師のもと、慰霊法要を営みました。園庭には子どもたちを見守るお地蔵様がお祀りされています。その、お地蔵さまのもとに、法山寺様のお檀家の中で、震災でなくなった方のお戒名をともしびにひとつひとつ書き写しお供えしました。
みなさんが御焼香頂く間、法山寺梅花講のみなさんと再びお唱えをします。私は梅花講の皆さんの前列でお唱えをしていましたが、お唱えがすすむにつれてすすり泣く声がお唱えの中に混じります。私もマイクを前にお唱えをしている以上、お唱えを途切らすことは出来ませんが、どうにかこうにか、気持ちを鎮めてなんとか唱えきることが出来ました。こうして石巻のご詠歌を志す梅花講員のみなさんとともにお唱えできたことは、ほんとうに有り難いことでした。

ともしびをひとつ、ひとつとかがみ込みながら見てくれている方もいらっしゃいました。
わたしたちのともしびは、石巻の皆さんにどのようにうけとめて頂いたのか。ただ、その場しのぎの安らぎにすらならないのかもしれないという思いもありますが、思う・向き合うということは人を動かす力になるという道元禅師のお示しを信じるほかありません。
法山寺の御住職様は法要後、石巻の皆さんに、まわりからどんな支援があったにせよ、自分たちの力で歩き出さなければ、この困難を乗り越えることは出来ないとお話になっていました。

われわれもまた、さらに被災地のことを思い続けるのだと、向き合い続けるのだと、自分自身のきもちをつなぐイベントであったと思うのです。

なお、音楽祭の模様をアルバムにまとめてあります。